確かに指南書ではあるんですが……。 2008-01-20
非常に感想が難しいのですが、他のレビューで指摘通り、実在作品を取り扱った例えの話しが多すぎる気がします。
(例えばキャラ造形のところでは、ロマサガや三国無双のようにキャラが切り替わるタイプの作品はプレイヤーに客観性を保ちながら、主人公に感情移入できる)
↑ほぼそのままの引用です。
当該作品をプレイしていない人にとっては、なにがなんだかわからないでしょう。
序破急のことをシーン、シークエンスというのだが、FF10のオープニングでも同じ構成です。
自分もこのようにFF10のネタで説明されても、まったくわかりませんでした。
(ちゃんと本書にも図や文章でシーン、シークエンスの説明はしているのに、なぜ改めてこのような実在作品を用いて出すのかは理解できない)
実際にツクールシリーズをやりながらとか、アドベンチャーゲームを製作しながらだったら、まだ使える価値がある本だとは思うのですが……。
今一歩なんとも納得がいかない本です。
文句なし 2007-04-04
本書の最初のほうは、この本の著者が『ゲーム製作でシナリオ担当になってから成長していく過程』を面白おかしく書いてあるのですが、これが面白い。この手の本を読むのが苦手だな〜という人でも、この部分を読むことで本にのめり込む事が出来、この先の講座部分を苦もなく読んでいくことができます。
図や絵を使った説明が非常に分かりやすく、シナリオ作り初心者の方にでも簡単に内容を理解することが出来るところもも申し分なしです。誰もが知っているゲーム、小説、映画等を例にあげての説明も分かりやすいですね。
所々にジョークも混じっていて、笑いながら学べるという感じですね。しかも、それでいて内容も一流。読みながら「ほぅほぅ、なるほどね〜」と思うような事ばかりです。
「これからゲームを作ろう」とお考えの方はもちろん、「ゲームのシナリオってどうやって作られてるんだろう」と疑問に思っわれている方にも、買って損のない本だと思います。
体系的かつ実践的な良書 2006-12-25
ありがちなタイトルですが、かなりの良書です。
実践的なテクニックを交えながらゲームシナリオ製作の技法を解説しています。
著者は現在演劇の分野でも活躍されているらしく、本文の内容も著者の演劇の脚本経験から来る、本格的な助言が混じっています。
一例を挙げると、キャラクターの造形には「なぜこのキャラクターはこんな性格をしているのか?」と、キャラクターの個人史と現在の性格が関連性を持つように設定するようにと書いてあったり、あるいはキャラクターの服装がキャラクターの内面を如実に表すといった風に通り一遍でない本質的なキャラクター作りの基本を教えてくれます。
この本の特色は、キャラクター造形をいわゆるキャラクターのパーソナリティの設定とストーリー上の役割設定という具合に、キャラクター造形を二元的に捉えているところです。
パーソナリティを持ったキャラクター達に、ストーリー上の明確な役割を割り振ってやれば、ある程度ストーリーの体裁を整えることは可能であることがわかります。
またキャラクター造形に留まらず、テーマ、構成、選択肢、テキスト等、およそゲームシナリオ製作に必要となる要素について網羅的に解説されているので、個人や同人サークルなどでゲームシナリオを作ってみようという向きには最適の本かと思います。
あとがきに「次はキャラクターに特化したものなんてどうでしょう?」と書いてありますが、この著者のキャラクター創作論は他のシナリオ製法の類書に比べても内容が充実しているので、是非キャラクターに特化した続編を出して欲しいと思います。
さらに詳しい情報はコチラ≫この記事は2008/4/22に作成しました。
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